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受容と感謝が答えか;エリクソンの第8の成長課題【老年期】

 私は今月で66歳となる。キャリアの勉強を初めて、人生を年代ごとの成長課題(発達課題)と考え、その各年代でその年代の成長課題を自分なりの実体験で完了していくことで、人は人生の力を獲得して、成長していくと習った。

 

 ドイツ生まれの心理学者エリク・H・エリクソン(1902~1994)は、「乳児期」「青年期」「老年期」など8つの発達段階を提唱した。この最後の8段階目の「老年期」の域に達したわけだ。

 

 今までの過去の経験を振り返り、今思えば、後悔もあるが、反面、自分なりにその時その時は一生懸命に生きてきたなぁ、という「受容」の思い。そして、自分だけでなく、周囲の多くの人たちの手助けでやって来れたなぁという「感謝」の思い。エリクソンがいう「統合」という域なのかもしれない。良かった、悪かった、ああ、もっと・・・、せめてああすれば・・・ということを全て統合して、自分の生きてきた人生を「受け入れる;受容」する。

 

 上図を見て頂くと、第9段階の「超高齢期」が記載されている。エリクソンは、ライフサイクルを8つの発達課題とした。第8段階は、およそ65歳以上を指す老年期(mature age)である。乗り越えるべき心理社会的危機は自己統合対絶望(ego integrity vs. despair)。その結果、最後に「賢さ(wisdom)」を得られるとした。

 1994年にエリクソンは91歳で亡くなった。その後、共同研究者である妻のジョウンが第9段階を加えて完結させたらしく、この「第9段階目」は結構新しい考え方なんだそうだ。この「9段階目」を東京都健康長寿医療センター研究所の増井幸恵研究員は次のように解説されている。

 「できないことが増えて、不幸感が高まると思いきや、自分自身をとらえ直し、不幸感が弱くなり感謝の気持ちが高まっていく。引用:https://win3.work/lecture-141/

 

 私ももう2段階で、この第9段階目の発達課題を完了して、最後の力と人生の域に達したいものである。