マイナビ社の2023大学生職業意識調査から、以下の2つの統計グラフを取り上げてみる。
・図1:求める「職業観」について
・図3:「企業選択の重視点」について
図1をみると、就活生の「職業観」はこれまでと同様に「楽しく働きたい」が最多で、3年ぶりに上昇に転じていることがわかる。
図3からは、「企業選択の重視点」で1位は、「安定している」が43.9%(対前年1.1pt増)、「2位「自分のやりたい仕事(職種)ができる」が32.8%(対前年比1.8pt減)、3位「給料のよい」が19.1%(対前年1.6pt増)であることが分かる。
その他では、「休日、休暇の多い会社」が対前年比0.8pt増、「勤務制度、住宅など福利厚生の良い会社」が対前年比0.4pt増となるなど、安心して働ける環境(制度面や待遇)や、ワークライフバランス(休み)に関する項目も増加していることもわかる。
確かに最近の若者の「人生観」をイメージできる集計結果だと思う。私が、就活生だったのはもう40数年以上前の「昭和の時代」であった。「より大企業への安定な就社的な選択」「永遠に続く終身雇用の保証」、そして、そのために「滅私奉公的な上位への忖度」「24時間働けますか?的なバイタリティー」・・・・など、全く、現在の「令和の時代」は、かつての「昭和の時代」とは様変わりである。思うに、私の時代は、選択肢は余りなく、ただただ、「前へ」「上へ」と周りとの良くわからない「競争」を繰り返していたような気がする。(私は)
しかし、今振り返ってみると、自分の力ではなく、会社や職位の力であったことも否定はしないが、それなりに自身でも頑張ったし、充実感や達成感はあった。逆に言えば、それだけ自分たちが見ている物や事が「単純」だったのかも知れない。さらに言えば、ロールモデルやキャリアパスなどに悩むこともなく、至ってシンプルなキャリア・パスしか見ていなかったのかもしれない。
今の若者が生きる「令和」世代は、社会も企業も日々の変化や変動、リスク発生に一喜一憂をしており、また、そこに所属する「個人」にも、確かに、自身の考え方や志次第で、自由と可能性の選択はある一方で、その責任も全て個人に負うこととなる。だが、世界の中の今の日本という国を考えるとGDPも下落し、個人の給与が諸外国と比べて大きく低迷している現状を考えると、余りにも先の見えなく、頼りにすべき社会も企業も方向性や希望も不安一杯になってしまうかもしれない。
うーん、少なくとも「心」と「身体」の健康を維持して生きて行くことを第一にしたい。自身を取り巻く環境の天候は、良くなったり悪くなったり、また、大型の台風があったりと大きく移り行くであろうが、その中でも、誰にでも、幾つかのチャンスは必ずやって来るであろうと信じていたいから。