私がキャリコンサルタント(旧キャリアカウンセラー)資格を取得したのは、今から10数年以上前であった。その際もキャリアコンサルタントにはなったが、その頃も社会的な認知度も少なく、キャリアコンサルタントという職や資格を活かす活動の場はなかなかなかった。その状況は、今でも社会的な認知度が高くはなってないという状況は変わってないという声も聞くが、私が取得した10数年前に比べるとキャリアコンサルタント資格の周辺の状況は変わってきていると思う。
少し例を挙げると、
・キャリアコンサルタント資格受験者の企業内人事担当者等の増加
・上記に伴い資格受験者が女性中心から中年男性中心へと大きくシフト
・事実として求人募集でキャリコンサルタントの明記が多くなってきた
・企業内でキャリアドックを始め社員のキャリア形成に企業の目が向いてきた
・企業内の社員、特にシニア社員へのリスキリングの必要性が叫ばれている
・1on1や心理的安全性など上司から部下への関りとして「傾聴」的な変化が要請されている
などなどである。
また、働き方改革の推進や労働人口の減少、労働者の高年齢化、また平均寿命の上昇と年金支給財源問題からか、政府からも70歳まで雇用推奨の声など、働く環境だけでなく我々労働者、企業人自体も変化せざるを得ない状況に向かわざる負えないのが現実である。
こんなことを考えていた時に、改めて、キャリアコンサルタント養成講座で学習したエドガー・シャイン博士の『キャリアサバイバル』という言葉が頭に浮かんだ。10数年前の養成講座で学んだ時は、あまりピンと来ていなかったが、近年のキャリア自律が労働者の一人一人に求められる中、改めてこの『キャリアサバイバル』の意図していることとそのために我々キャリアコンサルタントが果たすべき役割を考えるときに再考したい理論ではないかと強く思い出されてきた。
【参考】キャリアサバイバルで個人が取り組むべき6つのステップとは?
キャリアサバイバルとキャリアアンカーの提唱者であるシャイン博士は、キャリアアンカーが実際の仕事として実現していくプロセスを重視し、個人がキャリアサバイバルに取り組む上で行うべき「職務と役割のプランニング」を以下の6つのステップにまとめた。
①現在の職務と役割を棚卸する
②環境の変化を識別する
③環境の変化が利害関係者の期待に与える
影響を評価する
④職務と役割に対する影響を確認する
⑤職務要件を見直す
⑥プランニング・エクササイズの輪を広げる